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がん検診について(5大がん検診とその他のがん検診について)


現在、日本で公的に実施されている対策型がん検診は、以下の5種類です。
  • 胃がん
  • 大腸がん
  • 肺がん
  • 乳がん
  • 子宮頸がん
これらは集団全体の死亡率を下げる有効性が確立しており市町村が公費で実施しています。

◆対策型検診と任意型検診の違い

対策型検診 任意型検診・人間ドック
実施主体 市区町村など公費負担 個人負担で自由に受ける
対象者 年齢・性別など条件あり 希望者全員が対象
目的 集団の死亡率低下 個人の健康管理
当院では、任意型検診として個別のがんリスクに応じた検査や相談も行っています。

◆スクリーニング検査が確立されていないがん

膵臓がん
  • 罹患数・死亡数ともに増加傾向
  • 腫瘍マーカーやCT/MRIでも早期発見は困難
  • 高リスクの方(家族歴、膵嚢胞性腫瘤、糖尿病など)は定期的な画像検査が推奨

肝臓がん
  • 一般集団向けの有効なスクリーニング法は確立されていません
  • B型・C型肝炎ウイルス感染者や肝硬変の方は、3〜6か月ごとの超音波検査や腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-IIなど)を推奨

検査の難しさ

膵臓:深部に位置し、超音波検査での観察が困難なことも
肝臓:自覚症状が出にくく、小さな腫瘍は血液検査・画像検査での発見が難しいことがあります

◆当院での対応

腹部超音波検査

  • 肝臓・膵臓を含め、全体的な腹部の状態を非侵襲的に評価します
  • 肝硬度測定で肝線維化の進行度もチェック可能

血液検査

  • 肝炎ウイルス、肝機能、腫瘍マーカーなど
  • ただし、腫瘍マーカーは早期がんの発見には限界があるため、症状やリスクに応じた総合的判断が重要です

◆がんの動向

増加傾向

  • 膵臓がん:死亡原因第4位(男性)・第3位(女性)
  • 肺がん:死亡原因第1位(男性)、女性でも上位
  • 大腸がん:死亡原因、罹患数ともに高く上昇傾向

減少傾向

  • 肝臓がん:ウイルス性肝炎対策の普及により減少、脂肪肝やアルコール由来の肝臓がんは上昇傾向
  • 胃がん:ピロリ菌除菌や食生活改善で総数は減少、絶対数は以前多い

がん罹患数(2020年)

順位 男性(罹患数) 割合(男性全体に占める割合) 女性(罹患数) 割合(女性全体に占める割合)
1位 前立腺がん
約16.4%
乳がん
約22.3%
2位 大腸がん 約15.5% 大腸がん 約15.8%
3位 胃がん 約14.4% 肺がん 約10.3%
4位 肺がん 約13.3% 胃がん 約9.7%
5位 肝臓がん 約9.4% 子宮がん 約6.7%
※データ出典:国立がん研究センター がん統計

がん死亡数(2023年)

順位 男性(死亡数) 割合(男性全体に占める割合) 女性(死亡数) 割合(女性全体に占める割合)
1位 肺がん 約24.0% 大腸がん 約15.0%
2位 大腸がん 約13.0% 肺がん 約14.0%
3位 胃がん 約12.0% 膵臓がん 約12.0%
4位 膵臓がん 約9.0% 乳がん 約10.0%
5位 肝臓がん 約7.0% 胃がん 約9.0%
※データ出典:国立がん研究センター がん統計

◆まとめ

  • 罹患数では、男性は前立腺がんが最も多く、女性は乳がんが最も多い
  • 死亡数では、男性は肺がんが最も多く、女性は大腸がんが最も多い。
  • 大腸がんは罹患数・死亡数ともに男女ともに高い順位にあり、早期発見と予防が重要

◆早期発見の意義

大腸がん検診の例として、便潜血検査を定期的に受けることで
  • 年1回で死亡率が33%減少
  • 2年に1回でも13〜21%の死亡率減少が確認されています
さらに、大腸カメラを受けることで、ポリープ切除の有無に関わらず死亡リスクが低下するデータもあります。

◆受診率の現状と課題

日本のがん検診受診率は4〜5割程度にとどまり、欧米の7割以上に比べて低い水準です。
がん検診は「健康だから必要ない」ではなく、健康なうちこそ受ける意味が大きいものです。
厚生労働省も、職場の健康診断にがん検診を組み込む法定化や、受診率向上を目指した無料クーポンなどを推進しています。

◆当院からのメッセージ

  • 現在、日本人の2人に1人が一生涯でがんになり、男性で4人に1人、女性で6人に1人ががんで亡くなるといわれています。がんでの死亡率を下げるために重要なのは、がん検診を受けることです。早期発見・早期治療が大切です。当院では、がん検診や任意型検診を通じてがんの早期発見・予防をサポートします。
  • 当院では特に、内視鏡による胃がん・大腸がん、エコー検査により膵臓がんや肝臓がん・胆道がん、これらの検査に力を入れています。またCT検査で肺がんの検索も可能です。
  • ご自身の健康を守るため、定期的な検診を検討してみてください。