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熱中症について


熱中症の正しい知識と対策 〜高齢の方、持病のある方、小さなお子さんは特に注意〜

◆今年も暑い季節がやってきました

毎年、ニュースで「熱中症で搬送」という言葉を耳にします。私たちのクリニックにも
  • 「めまいがする」
  • 「頭がボーッとする」
  • 「吐き気がある」
  • 「なんとなくフラフラする」
…という訴えで受診され、熱中症が疑われる方がすでにいらっしゃいます。

◆熱中症は“命に関わる”病気です

熱中症は、高温・多湿環境で体温調節がうまくできなくなり、熱がこもってしまう状態です。
重症化すると、意識障害・けいれん・臓器障害を引き起こし、命に関わることもあります

◆特に注意が必要な方

◆熱中症はどんな人でも起こりえる季節性の体調不良です。下記の方は特に注意が必要です。
  • 高齢者(暑さを感じにくく、喉の渇きにも気づきにくい)
  • 乳幼児(体温調節機能が未熟)
  • 心疾患・糖尿病・高血圧などの持病がある方
  • 利尿剤など水分バランスに影響する薬を飲んでいる方

◆医師がすすめる熱中症対策

1. 水分補給を“意識的に” 飲め!水分!!
  • 喉が渇く前に、こまめに水分補給
  • 汗をかいたら塩分も一緒に(経口補水液やスポーツドリンクも◎)
  • 適正な水分量はいつもと同程度の尿量が確保できること。汗の量にもよるが、目安は1日1.5リットルから
  • コーヒーとビールは水分ではない!!

2. 室内でも油断しない 測れ!室温!!
  • 室温は28℃以下を目安に空調管理、扇風機やエアコンを我慢しない
  • 特に高齢者の一人暮らしは、「室内熱中症」に注意!

3. 外出時の工夫
  • 日中の外出はなるべく避ける(午前10時~午後4時は特に危険)
  • 吸湿速乾素材、日よけ帽子、日傘は夏の三種の神器!、黒い服はやめよう
  • 日陰を選んで歩く・こまめな休憩と水分補給

4. 「暑熱順化」を意識
  • 6~7月のうちから軽い運動や入浴で汗をかく習慣をつけ、暑さに強い体にする

◆何を飲む?

熱症対策、まずは「飲み物」から!
― 売っているもの・作れるもの、正しい水分補給を知ろう!

暑い日こそ、「何を飲むか」が命を守る!
熱中症の予防に一番大事なのは、“こまめな水分・塩分補給”。
でも、「水飲んでいるのに調子悪い…」という方、実は飲み方や飲み物選びに間違いがあるかもしれません。

◆熱中症対策に向いている飲み物

◎市販のおすすめ飲料
飲み物 特徴・使いどころ
経口補水液(OS-1など) 脱水状態・軽度の熱中症の時に最適(塩分高め)
スポーツドリンク(アクエリアス、ポカリなど) 普段の水分補給+軽い運動後に◎。やや糖分が多めなので飲み過ぎ注意
麦茶 カフェインゼロで利尿作用なし。体を冷やす効果もあり、日常的におすすめ
イオン飲料(塩分入り) 塩分チャージタブレットと一緒に活用するのも◎
◎自宅で作れる!かんたん熱中症対策ドリンク
【自作 経口補水液(目安:500mL分)】
  • 水 … 500mL
  • 食塩 … 1.5g(小さじ1/4弱)
  • 砂糖 … 20g(大さじ2)
  • レモン汁(好みで) … 少々
よく混ぜて冷やすだけ!市販のOS-1とほぼ同等の効果あり、安価。

◆熱中症対策にならない・逆効果な飲み物

飲み物 なぜNG?
コーヒー・緑茶 カフェインによる利尿作用でかえって水分が出てしまう
アルコール(ビールなど) 脱水を加速します。飲んでるいつもりが“出しているだけ”
甘すぎる清涼飲料水 糖分過多で逆効果
飲み方のコツも大事!
  • 「喉が渇いたときに一気飲み」はNG!
  • こまめに、一口ずつ、回数を増やすのが鉄則!
  • 目安:起床時・10時・昼・15時・入浴前後・寝る前に1杯ずつ意識

◆この症状が出たら、すぐに対処を

  • めまい、ふらつき
  • 頭痛、吐き気、こむら返り
  • 全身のだるさ、汗が止まらない、または出ない
  • 意識がぼんやり、呼びかけに反応しない

このようなときは、まず涼しい場所へ移動し、服をゆるめ、水分を摂取してください
意識がない、反応が鈍い、吐いてしまうなどがあれば、すぐに救急要請を

◆医師からのひとこと

熱中症は、「自分は大丈夫」と思っている人ほど危険です。
気温だけでなく、湿度・体調・年齢・服装・薬なども関係します。
異変を感じたら、無理せず早めに受診してください。

当院では、軽度の熱中症への対応・点滴治療も可能です。
「なんとなくおかしいかも?」という時点で、遠慮なくご相談ください。
意識がおかしい、動けない、という方は救急要請をしましょう。