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大腸憩室炎


当院での診療経過

  • 若い男性
  • 2日前から右下腹部痛、発熱、歩くと響くとのことで来院。
  • 診察上は右下腹部に圧痛あり、軽度の限局した腹膜炎症状あり。
  • 採血、エコーで上行結腸憩室炎の診断、虫垂炎なし。

→当院で通院治療。

憩室炎ってなに?

大腸憩室炎(だいちょうけいしつえん)は、大腸の壁が外側に袋状に飛び出した「憩室」に炎症が起こる病気です。
左側結腸(S状結腸)または右側結腸(盲腸〜上行結腸)に多くみられます。
軽症で自然に治ることもありますが、膿瘍・穿孔・腹膜炎に進展することもあり注意が必要です。

どうして起こるの?

  • 憩室自体は加齢や便秘で腸管内圧が高くなり、腸の壁が弱い部分から外に膨らむことでできる
  • 炎症を起こす要因
    ・便や食べかすが憩室に入り込み、細菌感染を起こす
    ・血流障害による粘膜障害
  • 危険因子
    ・高齢、便秘、食物繊維不足、肥満、NSAIDsやステロイド使用

どんな症状が出るの?

  • 腹痛(部位は憩室の部位によりさまざま)
  • 発熱
  • ときに便通異常(下痢だったり便秘だったり)
  • 吐き気・嘔吐

⚠️ 重症化すると
  • 膿瘍形成 → 腸の周囲や壁内に膿がたまる
  • 穿孔 → 腸に穴が開き便が腹腔内に漏れ出す、腹膜炎(強い腹痛、ショック)
  • 瘻孔形成(本来つながっていない臓器同士に穴が開き道ができる、膀胱大腸瘻・子宮大腸瘻など)

どうやって診断するの?

  • 問診、診察であたりを付ける
  • 血液検査:炎症反応の上昇(白血球増多、CRP上昇)
  • 画像検査:CTやエコー検査
    ・憩室の存在、周囲脂肪織濃度上昇(炎症)、膿瘍や穿孔の有無を確認
  • 大腸内視鏡:急性期は穿孔リスクのため原則行わない
    ・炎症が落ち着いてから、癌や炎症性腸疾患との鑑別に実施する

大腸憩室炎の超音波(エコー)画像

治療はどうするの?

▶ 軽症
  • 腸管安静(軽い食事、多めの水分)
  • 抗菌薬(経口)
  • 鎮痛薬

▶ 中等症〜重症
  • 入院治療、絶食+点滴+抗菌薬
  • 膿瘍形成 → ドレナージ(経皮的膿瘍ドレナージ)
  • 穿孔・腹膜炎 → 緊急手術

📝まとめ

項目 内容
病名
大腸憩室炎
主な原因 憩室内への便の停滞、感染
主な症状 左下腹部痛(日本では右下腹部も多い)、発熱、下痢便秘
診断 血液検査+CT(第一選択)
治療 軽症:抗菌薬+食事制限、中等症以上:入院、重症:ドレナージ・手術
注意点 穿孔や膿瘍に進展すると重症化する

患者さんへの注意点

憩室炎は「大腸にできた袋に炎症が起こる病気」です。
「腹部が痛む・熱が出る」などの症状がみられます。繰り返す人も多いです。
軽症なら抗菌薬と安静で治りますが、悪化すると腹膜炎や膿がたまることもあり、手術が必要になることもあります。
再発しやすいため、便秘予防や食物繊維をとる生活が大切です。
消化器内科で開業しているとたくさん出会う疾患です。軽症から重症まで様々なため、患者さんに合った治療を考えています。