上膵十二指腸動脈瘤
当院での診療経過
- 70代男性、無症状
- 前日に健診の腹部エコーを他院で受け腎臓に腫瘤を指摘、結果も出ていないが心配で結果を待てず翌日当院に相談受診。
- 結果がないためもう1回エコーを提案(どこに何があるのか不明のため)。腎臓には血管筋脂肪腫疑いの小さな腫瘤あり(良性で経過観察可)。別で膵辺縁に7㎜程度の動脈瘤あり。
→造影剤を使用したCTを総合病院に依頼。
→腹腔動脈解離後の疑い(血管の内膜が裂ける病気)、その下流にある上膵十二指腸動脈に6-7mmの動脈瘤あり。
→非常に珍しい部位の動脈瘤のため知識不足であり病気について検索すると、サイズによらず治療を検討、とのことであったため総合病院の血管外科に紹介。
上膵十二指腸動脈瘤(じょうすいじゅうにしちょうどうみゃくりゅう)って何?
内臓動脈瘤という珍しい病気があります、動脈にこぶ(動脈瘤)ができる病気です。大動脈から分岐して腹部臓器にいく血管にできる瘤です。脾動脈、肝動脈、腎動脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈、膵十二指腸動脈などの瘤の報告があります。ほとんどの場合、検診などのCTやエコーで偶然発見されるか、腹腔内で大出血をした際に発見されます。
上膵十二指腸動脈瘤は、膵臓の上あたりを走る「上膵十二指腸動脈」にこぶ(動脈瘤)ができます。膵十二指腸動脈瘤自体は内臓動脈瘤の約2%程度と言われまれな疾患で、男性に多く平均年齢は60歳前後です。
瘤というからには破裂する危険性があります。この動脈瘤が破裂すると、胃や腸の中・お腹の中に大出血を起こす危険があり、命に関わることもあります。
上膵十二指腸動脈瘤は、膵臓の上あたりを走る「上膵十二指腸動脈」にこぶ(動脈瘤)ができます。膵十二指腸動脈瘤自体は内臓動脈瘤の約2%程度と言われまれな疾患で、男性に多く平均年齢は60歳前後です。
瘤というからには破裂する危険性があります。この動脈瘤が破裂すると、胃や腸の中・お腹の中に大出血を起こす危険があり、命に関わることもあります。
どうして起こるの?
動脈の壁が弱くなり、血流の圧で膨らんで「こぶ」状になることで発症します。
原因として多いのは
→近年、原因不明の多くは、分節性動脈中膜壊死(SAM)という血管の膜の分節性の融解が原因と考えられており、多発に瘤が形成・高率に破裂する、と言われている。
原因として多いのは
- 上流である腹腔動脈の狭窄・閉塞
- 慢性膵炎(すいえん)など膵臓の病気
- 膵がん・膵管ステント留置後
- 外傷・手術後
- 胆道感染や膵液の漏れ(膵仮性嚢胞など)
- 原因不明(特発性) 最多
→近年、原因不明の多くは、分節性動脈中膜壊死(SAM)という血管の膜の分節性の融解が原因と考えられており、多発に瘤が形成・高率に破裂する、と言われている。
どんな症状が出るの?
破裂するまでは無症状のことがほとんどです。破裂すると
→ 出血性ショック状態になることもあります
※破裂前に、じわじわ出血して便が黒くなる(タール便)だけのこともあります。
- 急な吐血・下血(真っ赤~黒い血)
- お腹の強い痛み
- 大量出血で血圧低下、冷や汗・ふらつき・意識が遠のく
→ 出血性ショック状態になることもあります
※破裂前に、じわじわ出血して便が黒くなる(タール便)だけのこともあります。
どうやって診断するの?
- 造影CT検査(腹部):動脈瘤の位置や破裂の有無を確認
- 内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ):出血が疑われる場合
- 血管造影(アンギオ):カテーテルで血管を詳しく調べ、治療をそのまま行うこともあります
→ 急な出血時は、CTとアンギオが診断・治療のカギになります。
治療はどうするの?
破裂している場合は、緊急治療が必要です!。止血しないと命を落とします。
▶ 血管内治療(IVR)が第一選択
▶ 血管内治療(IVR)が第一選択
- カテーテルで動脈瘤の血流を遮断する(コイル塞栓術など)
- 体への負担が少ないため、第一選択となることが多い
- 手術(開腹して動脈瘤を切除・結紮)
- 大きさや形・背景疾患などをもとに、破裂リスクを評価し、予防的に治療することも
まとめ
- 上膵十二指腸動脈瘤は、膵臓の近くにできるまれだが危険な動脈瘤
- 無症状のまま経過するが、破裂すると吐血・ショックなど重篤な状態に
- 造影CTやアンギオで診断し、血管内治療が第一選択
- 背景に腹腔動脈の狭窄や閉塞、膵疾患や膵管ステントがある人は注意が必要です
非常に珍しい病気を発見することになりました。検索した結果、2012年掲載の論文で本邦報告98例目という記載を見つけました。
無症状の為、当然検査前に疑うことはできません。私が行ったのは、エコーで指摘された時点で、確定診断と評価に必要と思われる検査(造影CT)の依頼をして、病名が判明した時点で(知識が乏しかったため)各種検索をし、治療適応になる可能性があったため専門である血管外科に紹介したのみです。
ただただうちの検査技師のエコーがすばらしかったということです。こんなこともあるのでしっかり健診は受けましょう、エコーは被曝も痛みもなく情報量の多い素晴らしい検査です。
無症状の為、当然検査前に疑うことはできません。私が行ったのは、エコーで指摘された時点で、確定診断と評価に必要と思われる検査(造影CT)の依頼をして、病名が判明した時点で(知識が乏しかったため)各種検索をし、治療適応になる可能性があったため専門である血管外科に紹介したのみです。
ただただうちの検査技師のエコーがすばらしかったということです。こんなこともあるのでしっかり健診は受けましょう、エコーは被曝も痛みもなく情報量の多い素晴らしい検査です。

