髄膜炎
当院での診療経過
- 10代男性
- 1週間前から発熱・咽頭痛・頭痛で近くのクリニック通院、抗生剤処方で経過観察するも改善なし。新型コロナ陰性、インフルエンザ陰性は既知。
- 40度の発熱と嘔吐も伴い頭痛がひどく、症状が1週間持続し胃腸炎ではないかと言われたとのことで当院に相談に初診。
- 問診・診察のみで髄膜炎濃厚と判断できたため検査なしで総合病院に同日紹介。項部硬直陽性(首が硬くなり前に倒すのが難しくなる)、Jolt accentuation陽性(頭部を左右に素早く振ると頭痛が悪化する)、腹部に所見なく腹部感染は否定的、で髄膜炎と診断。
- 髄液検査を施行いただきウイルス性髄膜炎の診断で入院治療。ウイルス名は特定できず。
髄膜炎(ずいまくえん)とは
髄膜炎は、脳や脊髄を包んでいる「髄膜」という膜に炎症が起こる病気です。
原因の多くは細菌やウイルスの感染で、特に細菌性のものは重症になりやすく、命に関わることもあります。
原因の多くは細菌やウイルスの感染で、特に細菌性のものは重症になりやすく、命に関わることもあります。
どうして起こるの?
髄膜炎は主に感染症が原因で起こります。
原因となるもの
- 細菌(肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌など)
- ウイルス(エンテロウイルス、単純ヘルペスウイルスなど)
- 結核菌や真菌(カビ)が原因となることもあります
- 頭部外傷や手術後に起こることもあります
細菌性髄膜炎は、特に乳児や高齢者、免疫力が低下している人で注意が必要です。
どんな症状が出るの?
- 強い頭痛
- 高熱(38℃以上)
- 首の痛み・首が動かしにくい(「項部硬直」)
- 吐き気・嘔吐
- 意識の混濁・反応が鈍い
- けいれん
- 光や音がつらい(感覚過敏)
子どもでは、ぐったり・泣き止まない・刺激に過敏、などの症状になることもあります。
どうやって診断するの?
- 血液検査:炎症反応などをチェック
- 頭部CTやMRI:脳の腫れや出血の有無を確認
- 身体所見:項部硬直・Jolt accentuation・その他特徴的な身体所見
- 腰椎穿刺(ようついせんし):腰から針を刺して脳脊髄液(髄液)を採取し、炎症の有無を調べる(これが診断の決め手)
治療はどうするの?
細菌性髄膜炎:一刻も早い緊急治療が必要!、命に係わる大病です
- 抗生物質の点滴をできるだけ早く開始
- 入院・集中治療
- けいれんや脳圧上昇があれば、それに応じた対処も必要
ウイルス性髄膜炎:軽症のことが多い
- 安静・水分補給・解熱鎮痛剤などの対症療法が中心
- ヘルペスなど一部のウイルスには抗ウイルス薬を使うことも
まとめ
- 髄膜炎は、脳や脊髄のまわりに炎症が起きる病気
- 頭痛・発熱・首の痛み・意識障害などが特徴
- 細菌性は特に重症化しやすく、早期の診断と治療が大切
- ウイルス性は軽いこともあるが、見分けは難しいため検査が必要
地域の病院に勤務していた若いころ、なぜか異常に細菌性髄膜炎の患者さんを診る機会が多く、困ったあげくに消化器内科医の分際で“細菌性髄膜炎診療ガイドライン”を購入するという暴挙に出たことを今でも覚えています。おかげで髄膜炎の診断、治療には少し詳しくなりました。
「急な強い頭痛や高熱」「首が痛くて動かせない」「意識がぼんやりしている」
そんなときは髄膜炎の可能性があります。特に、細菌性髄膜炎は命に係わる恐ろしい病気です。すぐに医療機関を受診してください。早めの対応が命を守ります。
「急な強い頭痛や高熱」「首が痛くて動かせない」「意識がぼんやりしている」
そんなときは髄膜炎の可能性があります。特に、細菌性髄膜炎は命に係わる恐ろしい病気です。すぐに医療機関を受診してください。早めの対応が命を守ります。