ヌック管水腫
当院での診療経過
- 30代女性
- 10年来鼠径ヘルニアといわれ経過観察中、悪化したら手術と言われている
- ここ数か月生理周期に合わせて大きさの変動あり、痛みの変動あり、で当院に相談
- 触診上腸管らしくなく、問診と合わせてヌック管水腫>>鼠径ヘルニアと考えエコー
- エコーで液体貯留した腫瘤、ヌック管水腫の診断、症状あるので手術目的に紹介
ヌック管水腫ってなに?
ヌック管水腫(ぬっくかんすいしゅ)は、女性の鼠径部(足の付け根)にできる“水ぶくれ”のようなしこりです。
見た目や場所は「脱腸(そけいヘルニア)」と似ていて、やわらかくて触れることが多いです。
見た目や場所は「脱腸(そけいヘルニア)」と似ていて、やわらかくて触れることが多いです。
なぜ起きるの?
もともと女性にも「ヌック管(Canal of Nuck)」という、小さな袋状の構造が赤ちゃんの頃にあります。
通常は成長とともに自然に閉じるのですが、閉じずに残ってしまうと、その袋に腹膜から水がたまってしまい、水腫(すいしゅ)=水のかたまりになります。男性でいう精索水腫・陰嚢水腫などがそれに該当します。
通常は成長とともに自然に閉じるのですが、閉じずに残ってしまうと、その袋に腹膜から水がたまってしまい、水腫(すいしゅ)=水のかたまりになります。男性でいう精索水腫・陰嚢水腫などがそれに該当します。
よくある症状
- 足の付け根あたりにぷよっとしたしこりがある
- 押すとやわらかく、痛みは少ないことが多い
- 寝ると小さくなったり、立つと大きく感じたりすることもある
- 女性の脱腸(鼠径ヘルニア)と間違われやすいです
- 約20%で子宮内膜症を合併、生理周期に伴い大きくなったり痛くなったりすることがある
どうやって診断するの?
- 超音波(エコー)検査:水がたまっているかどうかが分かります
- 脱腸との鑑別が困難な場合、必要に応じてMRIやCTで詳しく見ることもあります
- 外科や婦人科の先生と相談することがあります
治療は必要?
- 小さい場合や痛みがない場合は、経過観察だけで済むこともあります
- ただし、しこりが大きい・違和感がある・脱腸との見分けがつきにくい場合は、手術で袋を取り除く治療をすることがあります(※入院手術になることが多いです)
まとめ
- ヌック管水腫は、女性に見られる鼠径部の“水のたまった袋状のしこり”です
- 鼠径部にしこりがある場合、「脱腸」や「リンパ節」などとの見極めが大切です
- エコーで診断でき、必要に応じて手術で治療可能です
- 気になる場合は、早めに医師に相談するのが安心です
- 高齢になると脱腸(鼠径ヘルニア)の比率が高くなりますが、40歳以下の鼠径部腫瘤の約半数はヌック管水腫という報告があります
女性の場合鼠径ヘルニアでも生理周期に伴い症状の変動がある場合もあります。
40歳以下の女性の鼠径部腫瘤は約半数がヌック管水腫、半数が鼠径ヘルニアという報告があります。腫瘍やリンパ節の可能性もありますので気になる方は医療機関への受診をお勧めします。
40歳以下の女性の鼠径部腫瘤は約半数がヌック管水腫、半数が鼠径ヘルニアという報告があります。腫瘍やリンパ節の可能性もありますので気になる方は医療機関への受診をお勧めします。