カンピロバクター腸炎
当院での診療経過
- 1年で20人以上診断しています、こんなに多いものかとさすがに驚いています
- よくある経過は、数日前にバーベキューをして腹痛・発熱・下痢が続く若い方
- 下痢止めを処方されたが良くならない、と言って受診
- 少量頻回の下痢、回数を聞くと明確に答えられない、何十回もという返答が多い
- 嘔吐はあまりなし、痛い部位は聞いてもはっきりしない、診察上は右が多い
典型的にはこんな感じの方は疑います。回数が答えられないのは、少量頻回でどこまでが1回か本人も分からないから。しぶり腹があっていつトイレから出てよいか分からない。ある程度腸の炎症の範囲が長いので本人も痛い部位はどこか、と聞かれても良く分からない。
→しっかりしている人なのに返事が不明瞭・本人も困る、こんな感じが多い印象です。
カンピロバクター腸炎ってなに?
カンピロバクター腸炎は、カンピロバクターという細菌が原因で起こる腸の感染症です。
鶏肉などを通じて感染することが多く、日本で最も多い細菌性腸炎のひとつです。
多くは軽症で済みますが、まれに神経の病気(ギラン・バレー症候群など)につながることもあります。
鶏肉などを通じて感染することが多く、日本で最も多い細菌性腸炎のひとつです。
多くは軽症で済みますが、まれに神経の病気(ギラン・バレー症候群など)につながることもあります。
どうして起こるの?
加熱が不十分な肉類(特に鶏肉、鶏刺し・鶏わさ・たたきなど)が最大の原因です。
他にも、以下のような経路で感染することがあります。
他にも、以下のような経路で感染することがあります。
感染経路
- 鶏肉・レバー・生焼けの焼き鳥など
- 汚染されたまな板や包丁から他の食材への「二次汚染」
- 井戸水・川の水など自然水の飲用
- ペット(犬・猫・小鳥)からうつることもまれにあります
※少量の菌でも感染するため、「見た目が火が通っていても」注意が必要です。
どんな症状が出るの?
- 腹痛(特にキリキリした下腹部痛)
- 下痢(水様便〜血便)
- 発熱(38〜39℃)
- 吐き気・倦怠感
- 発症の1~7日後(平均2〜5日後)に症状が出るのが特徴
まれに合併する病気
- ギラン・バレー症候群(感染後1〜3週間で発症)
どうやって診断するの?
- 便培養(確定診断)
- 血液検査:炎症の程度や脱水の評価
治療はどうするの?
基本は自然に治る(軽症例が多い)
- 水分補給(経口補水液など)
- 整腸剤(乳酸菌など)
- 食事は消化のよいものを少量ずつ
症状が強い場合・高熱・血便がある場合は
- 医師の判断で抗菌薬(マクロライド系など)を使用することも
- 市販の下痢止め(ロペラミドなど)は禁止!
- 便の培養検査は1週間程度を要します。
- 他の細菌性腸炎も考えられるため、細菌が原因と思われる際は抗菌薬を処方することがあります。
- 通常細菌による腸炎は小腸の終末部付近から大腸に炎症があることが多く、症状としては少量頻回の下痢(粘液様・時に血便)・高熱・しぶり腹(便意があるがすっきり出ない状態)が特徴的です、あまり嘔吐は伴いません。
- 嘔吐下痢症はウイルスによる小腸の炎症であることが多く、尿のようなシャーッと出る水様下痢、トイレに行くと一旦はすっきりする、嘔気嘔吐を伴うことが多いのが特徴です。
通常、“問診がしっかり可能な方”は炎症の部位が大腸なのか小腸なのか、おおよそ判別できます。
📝まとめ
項目 | 内容 |
病名 | カンピロバクター腸炎 |
原因 | 加熱不十分な鶏肉、汚染された水や器具など |
主な症状 | 腹痛・下痢・発熱・倦怠感 |
潜伏期間 | 食後1~7日(平均2~5日) |
診断 | 便培養 |
治療 | 水分補給・整腸剤、必要に応じて抗菌薬(下痢止めは禁止) |
「鶏刺しや焼き鳥を食べた後に、お腹が痛くて下痢・発熱が出た…」
それ、カンピロバクター腸炎かもしれません。
特に血便が出たとき・脱水が心配なときは、早めの受診が大切です。感染が改善した後に力が入らないなどの症状があるときはギラン・バレー症候群(感染後1〜3週間で発症)を疑います、すぐ受診を。
急におなかをくだしたとき、「早く止めたい!」と思うかもしれません。
でも、感染症が原因の下痢では通常下痢止め使用しないのが原則です。
大事なのは…
下痢止めを使うかどうかは、医師が症状と原因を見て判断します。自己判断せず、まずはご相談ください。
それ、カンピロバクター腸炎かもしれません。
特に血便が出たとき・脱水が心配なときは、早めの受診が大切です。感染が改善した後に力が入らないなどの症状があるときはギラン・バレー症候群(感染後1〜3週間で発症)を疑います、すぐ受診を。
急におなかをくだしたとき、「早く止めたい!」と思うかもしれません。
でも、感染症が原因の下痢では通常下痢止め使用しないのが原則です。
- 下痢は、体の中の菌やウイルスを外に出す大切な働きです
- 無理に止めると、病気が長引いたり重くなったりすることがあります
- 発熱や血の混じった便があるときは、特に危険です
大事なのは…
- 水分・塩分の補給(経口補水液など)
- 安静にして体を休めること
- 症状が強いときや長引くときは、早めに受診すること
- それができないときは点滴、入院が検討されます
下痢止めを使うかどうかは、医師が症状と原因を見て判断します。自己判断せず、まずはご相談ください。