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トップページ >  院長・スタッフコラム >  呼吸器多項目PCR検査を導入して分かったこと・感じたこと

呼吸器多項目PCR検査を導入して分かったこと・感じたこと


当院でPCR検査を導入してしばらく経ちました。
今回は、実際に使ってみて分かったこと、感じていることをまとめてみます。
※あくまで当院での使用経験に基づく個人的な印象であり、厳密な研究データに基づくものではありません、エビデンスはありません。

抗原検査より早い段階で陽性になる印象

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症について、抗原検査よりも発熱早期に陽性が出るケースが多い印象があります。
一般的に抗原検査は「発熱後12〜24時間ほど経ってからの検査で陽性率が高い」とされており、発熱直後の検査はあまり推奨されていません。
PCR検査はそれより早い段階で検出できる可能性はありますが、症状が出てからあまりに早すぎる検査は、PCRでも正確な診断が難しい場合があります。
これは従来言われている通りで、発熱後早すぎる検査は正確な診断には推奨されません。

複数のウイルスが同時に検出される人が意外と多い

この検査を導入して思ったことの一つとして、
複数の病原体が同時に陽性になる方が思っていた以上に多いことです。
例えば、
  • インフルエンザ
  • 新型コロナウイルス
  • ライノウイルス・パラインフルエンザウイルス・季節性コロナウイルスなどのいわゆる風邪ウイルス
  • RSウイルス
  • アデノウイルス
などが、2種類、時には3種類以上同時に検出されることがあります。
これまでに最大で5種類が陽性だった方もいました。
ただし、PCRは感度が非常に高いため、4週間ほど前までの感染の名残を拾っている可能性もあり、すべてが「今まさに同時感染」というわけではない場合もあります。
そのため、検査結果だけでなく、症状や経過と合わせて総合的に判断しています。

学童期〜大人のRSウイルス感染が意外と多い

微熱や咳が長引き、「なかなか治らない」という小中学生や一部の大人の方にPCR検査を行ったところ、RSウイルス陽性の方が結構いらっしゃいました。
通常、RSウイルスの単独検査は保険上「1歳未満」または「入院患者」に限られ、外来ではなかなか調べる機会がありません。
これまでであれば、症状から「マイコプラズマなどの非定型肺炎・気管支炎かな?」と考えていたケースも、実はRSウイルスだった、という可能性が見えてきました。
正直なところ、乳幼児以外の感染症を症状だけでRSウイルスと見抜くのはなかない難しいと思っています。
ですが、RSウイルスと分かることで不要な抗生剤の使用を減らせる可能性 があります。
当院では、いわゆる「風邪」に抗生剤を処方することは基本的にありません。
抗生剤は必要な場面で、適切に使うことが大切だと考えています。

「原因が分かる」ことで安心につながることも

インフルエンザ+新型コロナの抗原検査だけをしていた頃と比べ、何かしら病原体が見つかるケースが増えたことで、「いわゆる風邪ウイルスですね」と具体的に説明できるようになり、安心される方が増えた印象があります。
一方で、複数陽性の場合は「今の症状の主な原因はどれか?」を考える必要があり、医療者として悩むこともあります。

当院でこの検査を考えるのはこんな方

現在のところ、当院では主に次のような方にご案内しています。
  1. 発熱や咳が長引いており、原因がはっきりしない方
  2. 他院でインフルエンザ・コロナは陰性と言われたが改善しない方
  3. 発熱してから間もない時期で、強く検査を希望される方
  4. 多項目PCR検査を希望して来院された方

この検査は費用がやや高めのため、当院から全員に積極的におすすめしているわけではありません。適応がありそうな方には説明はしますが、最終的にはご本人の希望を尊重しています。

検査についての注意点

  • 抗原検査のあとに、同じ目的で改めてPCR検査を行うことは、現在の保険ルール上認められていません。
  • PCR検査をすれば「すべての原因が分かる」「すぐ治る」というわけではありません。

多項目PCR検査は、診療の幅を広げてくれる便利なツールだと感じています。
今後も必要な場面で適切に活用していきたいと思います。
ご希望の方は、ホームページをご確認のうえ、事前にご連絡いただいてからご来院ください。
同じ検査希望の方が重なった場合は、待ち時間が長くなることがありますのでご了承ください。