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信頼される「かかりつけ医」であるために


◆ 常に情報をアップデート

早いもので医師になって23年目になりました。もう、ぱっとは数えられません。
どんな業界でも「情報のアップデート」が必要なのは当然ですが、医療も同じです。むしろ医療は日進月歩、数年前の“常識”が今では“非常識”ということも珍しくありません。「あのクリニックの治療は古い」「今どきこの薬使うの?」などと思われないよう、常に学び続ける必要があります。
専門である消化器内科に関しては、これまでは内視鏡治療や抗がん剤などの知識の更新を中心に行ってきましたが、最近は一般診療でよく遭遇する症状や疾患への対応力を広げることに注力しています。ほかの診療領域も、頻度の高いものから順に情報収集をしています。
ありがたいことに、昔と比べて情報へのアクセスは格段に楽になりました。その分、「どの情報を選ぶか」という“取捨選択力”が問われる時代です。

◆ 初診・体調不良の方の診察には時間をかけて

体調が悪くて来院される方、特に初診の方は、ご自身の症状や経過をうまく伝えられないこともあります。そのため、どうしても診察に時間がかかってしまいます。予定通りに進まず、お待たせしてしまうこともあり、申し訳なく思います。
しかし、ここは手を抜けませんし、抜きません。自分の体調が悪い時に、話を適当に打ち切られたら誰でも困りますよね。
もし「プレゼンテーションが苦手」と感じる方は、来院前にWeb問診にまとめていただけると非常に助かります。ご自宅でゆっくりと、短く・簡潔にまとめていただければ、必要な追加情報はこちらで伺います。
“問診8割”と言います、診断の8割は問診で決まると言われています。つまり、問診がしっかりできなければ、診断も難しいということ。若い頃に習ったこの言葉、誰に教わったのかは忘れてしまいましたが(笑)、今でも大切にしています。

◆ 救急疾患にも力を入れています

医師になったときから、「具合の悪い人をなんとかしたい」という思いで、救急疾患に向き合ってきました。開業後は救急車での搬送を引き受けることはないため、救急患者対応の在り方に変化はありますが、具合の悪い方は可能な限り診ていこうと思っています。
消化器内科を標榜しているため、腹痛や消化管出血など、急性症状で受診される方も多くいらっしゃいます。病院勤務時代とは違い、現在は「当院での治療が可能か」「紹介が必要か」の判断が求められます。
結果として、当院で通院治療を行えるケースも多くありますが、消化器に限らず泌尿器科・産婦人科・循環器内科など他科への紹介も意外と多く、重症例や珍しい疾患の診断に至ることもあります。

◆ 薬は少ないほど良いと考えています

もちろん必要な薬は処方します、場合によっては数が多くなることもあります。ですが、「薬を減らすこと=正義」とは限らない一方で、「不要な薬があること=明らかな悪」であるとも思います。
生活習慣の改善などで代替できるなら、そちらを選ぶべきです。相反する薬を同時に服用している方、そもそも“なぜその薬を飲んでいるのか分からない”という方も多く見かけます。これは重大な問題です。
他院で処方された薬について相談を受けることも多いですが、その薬をなぜ飲んでいるのか分からなければ、必要かどうかの判断もできません。処方医に尋ねていただくのが現実的な対応となってしまいます。
当院での処方薬については、いつでもご質問ください。処方時には必要性や副作用について説明しているつもりですが、一度ですべて理解できるとは思っていません。納得いただけるよう説明いたします。
なお、「処方している理由が説明できない薬」は、おそらく不要な薬だと思っています。

◆ 紹介状には、必ず病名を書くようにしています

他院に紹介する際は、基本的に「〇〇」「〇〇の疑い」など病名を記載するよう心がけています。クリニックでの検査には限界があるため、最終的に間違っていたということもありますが、「こう考え、この検査結果からこう判断した」という情報をきちんと伝えることが大切だと考えています。
「発熱があります」「お腹が痛いと言っています」「食事がとれないそうです」といった紹介状では、医師が書く意味がありません。患者さん自身が伝えられる内容だからです。紹介状も無料ではありません、医師としての見解を添えて初めて“紹介状”になると考えています。

◆ 分からないことは「分からない」と伝える

分からないのに適当に診察して、なんとなく薬を出すようなことは、してはいけないと思っています。診断や治療についてきちんと説明できない場合は、「分かりません」と正直にお話ししています。
ただし、「分からないから知りません」と突き放すことはしていません。「〇〇科への受診が適切だと思います」「△△クリニックの先生が詳しいと伺っています」「□□科で診ることが多い症状です」など、可能な限りの説明を行い、必要であれば紹介状をお渡しします。
私自身、何事も「分からないことは分からない」「無理なものは無理」と言ってもらえる方が安心できます。そうしてくれる人が「分かる」と言うときには、本当に信頼して良いと感じられるからです。
当たり前のことばかり書いているかもしれませんが、「当たり前のことを当たり前に続ける」ことこそが、プロフェッショナルなのだと思います。
どんな職業でもきっと同じですね。皆さんも日々、そうしていらっしゃるのではないでしょうか。私も、プライドとポリシーをもって診療にあたっています。